BMマガジン|ビルメン業界動向
清掃のタイミングを変える技術。仕事にかかる費用を伝える準備。施設をまとめて支える仕組み。今週は、これからの現場の運用や経営を考えるうえで、ヒントとなる動きがありました。
新しい技術や仕組みが加わることで、日々の判断や作業の進め方はどう変わるのでしょうか。従来の巡回や担当者の経験とどう組み合わせ、次の管理へとつなげていくのか。その先の運用にも目を向けたいところです。
2026年10月12日〜18日に公表・掲載された情報から、注目の7件をお届けします。それぞれのニュースの要点と、仕事へのヒントを整理しました。こうした動きが現場で育ち、よりよい管理の形につながっていくことを期待しながら、今後の展開を追っていきます。
- 清掃・巡回のDX:機器と合わせて、人の動き方を考える
- 諸経費・価格転嫁:現場を支える仕事の費用を把握する
- 包括管理・学びの場:情報と現場の知恵を共有する
01|駅清掃は「決まった時間」から「必要なタイミング」へ
10月16日発表/実証は10月27日〜2027年1月中旬
JR東日本、JR東日本商事、ソフトバンクは、赤羽駅を中心に駅舎清掃DXの実証を行います。赤羽・王子・十条・東十条の4駅で、センサーによるトイレとごみ箱の利用状況把握を実施。赤羽駅では、二次元コードを使った清掃依頼の受付、AI画像分析による汚れの検知、トイレ清掃ロボットの試験なども予定しています。
狙いは、利用状況や汚れの発生に応じて清掃する運用の検証です。清掃依頼や画像分析は判断の参考情報であり、即時対応を保証するものではありません。省力化や品質向上の効果も、これから確かめる段階です。
利用状況に合わせて清掃する仕組みが加わると、巡回で培ってきた経験の生かし方も広がりそうですね。センサーや画像分析で得た情報を、現場の判断とどう組み合わせるかが興味深いところです。実証の中で、働く人にも使いやすい清掃のタイミングや役割分担が見えてくるのを楽しみにしています。
02|見積もりを支える「諸経費」の実態調査が開始
10月13日協会掲載/調査期間は10月13日〜11月20日
国土交通省が「建築保全業務積算基準の諸経費に関する実態調査」を実施しています。清掃、設備管理、施設警備の委託費算出に使われる基準について、受注者などの積算状況を費用面から把握する調査です。現時点で基準改定が決定したという発表ではありません。
回答期限は11月20日。全国ビルメンテナンス協会の案内に調査票と記入要領が掲載されています。調査票の返送先は国土交通省で、協会宛てではない点にも注意が必要です。
人員手配や教育、報告書の確認、顧客との調整。作業を円滑に進めるために、現場の周りでもさまざまな仕事が積み重ねられています。今回の調査は、そうした仕事を費用の面から伝える機会にもなりそうです。調査結果が今後の検討に生かされ、発注者と受注者がお互いの実情を理解する手がかりになるといいですね。
03|川南町の61施設で、保守・修繕・巡回を包括管理
10月16日発表/業務は10月1日に開始
日本管財ホールディングスは、日本管財を代表企業とし、九州電力、ニシコーで構成する共同事業体が、宮崎県川南町の公共施設61施設の包括施設管理を始めたと発表しました。業務期間は2026年10月1日から2032年3月31日までです。
庁舎、学校、公園などを対象に、保守点検、1件200万円以下の修繕、施設巡回を実施。専門技術者の巡回、施設情報の蓄積・活用、24時間365日の受付体制を組み合わせ、町や町内事業者と連携します。
庁舎や学校、公園まで、61施設を支える取り組みです。用途の違う施設の記録や経験を持ち寄ることで、一つの施設だけでは見えにくかった工夫も生まれそうですね。町や地元事業者との連携が、次の点検や修繕にどのようにつながるのか。地域の施設を長く支える仕組みとして、これからの運用を見ていきたいと思います。
04|屋外ロボットを、昼の案内と夜の見回りに
10月14日発表/実証は10月15日〜28日の平日
パナソニック ホールディングスとパソナグループは、淡路島の「ニジゲンノモリ」で、自動搬送ロボット「ハコボ」を使うサービスの実証を進めています。日中は案内や情報発信、夕方・夜間は警備・見回りに活用し、有効性、運用性、事業性を確かめます。
現地対応者や遠隔操作者の手配・管理、緊急時対応などはパソナグループが担当。自動走行が難しい状況では遠隔操作に切り替える仕組みも用います。
昼は案内、夜は見回り。同じロボットが時間帯に合わせて役割を変えるのは、施設での使い方を考えるうえでも面白い試みですね。自動走行に遠隔操作や現地対応を組み合わせることで、実際にどこまで活用の幅が広がるのかが気になります。利用者や運用する人の声が、次の工夫につながっていくことを期待したいところです。
05|価格転嫁と取引適正化、契約更新に向けた準備を
10月13日協会掲載
全国ビルメンテナンス協会は、厚生労働省による価格転嫁・取引適正化の推進について周知しました。労務費を含むコスト上昇分の適切な転嫁や、発注者・受注者双方の立場からの取引適正化などを求めています。今週新たな制度が始まったという内容ではなく、これまでの取り組みを踏まえた働きかけです。
仕事にかかる費用を伝えることは、その先にある人員体制やサービス品質を知ってもらうことでもありますね。日々の仕事を支える負担が共有されれば、契約を話し合う際の理解も深まりそうです。現場の実情を伝え合える関係が育ち、働く環境と安定したサービスを支える取引につながることを願っています。
06|クリーンEXPO、AI・保全情報・人材育成を学ぶ機会に
10月14日講演紹介/開催は11月18日〜20日
「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2026」は、11月18日〜20日、東京ビッグサイト南展示棟・西展示棟の一部で開催されます。全国ビルメンテナンス協会が10月14日付の記事で注目講演を紹介しました。開催や登録開始自体は、以前に発表されている情報です。
生成AI、AIを使った建物検査、維持管理情報の活用、人材育成などが講演テーマに並びます。来場と紹介講演の聴講は無料。講演の登録とは別に来場登録が必要で、各講演には定員があります。
AIの活用から人材育成まで、技術と人の両方を考えられる講演が並んでいます。自分の職場の経験と照らし合わせると、身近に感じられる事例もありそうですね。会場での学びや交流から「これなら取り入れられそう」というヒントが見つかり、それぞれの現場で新しい工夫に育っていくのが楽しみです。
07|現場の工夫を発表へ。日本環境管理学会が「現場の声」を募集
10月16日協会掲載/発表・聴講申込は10月30日まで
日本環境管理学会は、11月24日午後、ビルメンテナンス会館(東京都荒川区)とリモート併用で大会・第38回研究発表会を開催します。研究発表の一部門として、ビルメンテナンス業務の従事者による「現場の声」を広く募集しています。
発表、聴講とも申込期限は10月30日。聴講料は学会会員が無料、全国ビルメンテナンス協会会員と学生が1,000円、非会員が2,000円です。発表には別途、1題1,000円の発表登録費が必要です。
毎日の仕事で感じた疑問や、少しやりやすくなった工夫。そうした身近な声が、研究やほかの現場の経験と出会う場があるのは心強いですね。発表をきっかけに意見が交わされ、そこで得た気づきがまた日々の仕事に戻っていく。そんな知恵の行き来を、これからも応援していきたいと思います。
手帳に入れておきたい日程
- 10月30日:日本環境管理学会大会の発表・聴講申込期限
- 11月18日〜20日:ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2026
- 11月20日:建築保全業務積算基準の諸経費調査・回答期限
- 11月24日午後:日本環境管理学会大会・第38回研究発表会
申込方法や最新の開催条件は、各ニュースの出典リンクからご確認ください。
新しい技術で得られる情報、仕事を支える費用の実態、日々の現場に蓄積される経験。今週のニュースには、それらを次の管理へつなげようとする動きが見られました。実際の運用や対話を重ねる中で、どのような工夫が生まれ、働く人や施設を利用する人にどのような変化が届くのでしょうか。それぞれの取り組みが現場で育ち、そこで得られた知見がさらに広がっていくことを期待しながら、今後の展開に注目していきたいと思います。

